いずみずむなきっかけ
2002/07/11 初版 2002/09/30 1.1版
2003/08/7 1.1.2版 2003/08/7 1.1.5版
2003/12/18 1.3版 2004/02/03 1.4版
(近日更新部青色)
竹本泉先生は漫画家です。1983年に少女漫画家(少女漫画の漫画家)としてデビューなさいましたが、現在では「少女漫画」のジャンルを脱し、その範疇には収まりきらないユニークな作品をいろいろいろ描いていらっしゃいます。
2003年現在、竹本泉作品は「少女漫画」とは言えなくなってしまったものの、少年少女達が楽しめる、もっと小さい子供も楽しめる、そしてもちろん大人も楽しめる、そんな内容になっています。
先生の作品は概ね「SF・ファンタジー」に属するものが多いと思いますが、しかし従来でイメージされる既成のそれらとはかなり異なる「変な話」が多いのが著しい特徴です。先生の詳細や作品についてのデータは他の多くの方々が丁寧なページを作っていらっしゃるので、Googleででも探してみて下さい。
Googleの検索結果→「竹本泉」
たくさんホームページがあるのを見ても分かるように、竹本泉先生には根強いファンがたくさんいます。けれども先生の作品は必ずしもマニアにしか受け入れられないような作風でありません。前述のように子供から大人まで楽しめる、「ぽかぽか」「ふわふわ」した、そしてちょっぴり不思議な(どころじゃなく『変な』)作品ばかりです。
多くの優れた漫画がアニメ化される中、竹本泉先生の作品が2003年9月現在、アニメ化されていないのは大変不思議な話なのですが、そういう企画化の話には運不運もあるでしょうし、またアニメ化して竹本作品の面白さが伝わるものかどうかも分かりません(アニメ化の話は何度も何度もあったそうです)。
そんな作品達ですので、是非一度機会があったら読んでみて下さい。なお、当サイトでは初心者向けの方々に「こんな方にはこの竹本泉作品を!」という「はじめての『いずみずむ』」というページを設けています。参考にして下さいませ。
理由は一つ。「竹本先生の作品をもっと知らしめたい」ということだけです。
私が竹本作品を好きになった頃は竹本先生の作品がかなり活発化した、しかも漫画だけでなく、ゲームやら、ドラマCDやらが続々と出はじめた頃だったようです。けれども2002年4月現在、かなりのところ減ってしまいました。
私は漫画雑誌は買わず、コミックしか買いません。本当は好きな漫画家がいるなら漫画雑誌を買うのが務めなのかもしれませんが、各種諸事情により結局コミックを買うことに甘んじておりました。
竹本泉先生に関しては「竹本泉メーリングリスト」という非常に歴史の古い、それは竹本先生が生まれる頃に出来た(....ウソです)ファンによるネット上の情報交換ネットワークがあります。私もほとんど発言しないながらもその末席に加えさせて頂いていますが、その会話の中で2000年頃、「『アップルミステリー』が廃刊だって」「え〜〜!」というような会話がされていました。
漫画雑誌を読まない、また興味もない私は今ひとつピンとこないまま、その発言を聞き流していましたが、それをなんとなく実感するようになったのがようやくその数年後でした。
宙出版の「ひらがなもの」シリーズ 私が好きなシリーズ(?)に、宙出版のミッシイコミックスのシリーズがあり、私はこれを「ひらがなもの」と名付けているのですが、この作品を生み出す際に掲載された雑誌の代表が「アップルミステリー」だったのです。アップルミステリーの廃刊で、当然「ひらがなもの」シリーズはほとんど出なくなってしまいました。
竹本泉先生の作品は「ミステリー」というよりもファンタジーなのですが、その雑誌は先生にとっても居心地が良かったのでしょう、かなり奔放に作品を描いていたような感じです。その安定した場所が無くなったのは竹本先生にとっても痛かったに違いなく、先生お得意の「コミックスあとがき」でもしばしばそれについて触れられています。
無論、竹本先生の活躍の場は「アップルミステリー」だけではなく、その他の場所でも活躍を続けておられます。しかしながらこのことを機会に改めて私は「やはりファンたるもの、好きな作家は少しでも普及活動せねばならん」という気になってきました。
少し話を外すことになりますが(って全然少しじゃないので反省して文字小さくします、興味あるひとはフォントサイズ大きくしてね)、私が今までハマったと言える特定のアニメ・漫画は3つあります。
- 宮崎駿 1991年〜1995年
- 「不思議の海のナディア」 1994年〜1995年
- 竹本泉作品 1996年〜
このうち、宮崎氏は「魔女の宅急便」が大ヒットした後で既にメジャーになっていましたが、それでも2003年の今ほどではありませんでした。私の興味は作品もさることながら、宮崎氏の人間というものに関心を持ったのですが、兔にも角にも、私が追いかけるにつれてどんどん有名になっていきました。
「不思議の海のナディア」はアニメ好きでなければ御存じない方も多いでしょうが、知る人ぞ知るアニメーションです。というのも、その監督(の一人)であった庵野秀明氏は後に「新世紀エヴァンゲリオン」を生みだし、すっかり有名人になったからです。個人的に私は「エヴァンゲリオン」よりも「ナディア」の方が全体として好きですが、ナディアの中にエヴァンゲリオンの原型の断片が見られることは、エヴァの解説本ではしばし見られるようです。
(全くの余談ですが庵野氏は宮崎氏「風の谷のナウシカ」で原画の一人として参加し、宮崎氏から「お前は人間が描けん、巨神兵でも描いてろ」と言われちゃってます)
この両者とも世間で有名になるにつれ、「私がハマったのは目利きがあったのだ」ということで、なにやら嬉しくなったのですが(多分それは違います^_^;;)、竹本先生に関してはどうもそういう様子が見られません。落ちぶれるわけでもないですが、かといって有名になっていくわけでもないような....
そんな欲求不満な思いが「やはり好きなら熱烈なファンとして少しでも普及に努めなければならない」という気持ちに改めてなったというわけです。
私が竹本泉作品を知ったのは竹本泉作品のゲーム『ゆみみっくす』のチラシが最初だった気がします。
私は趣味とするものの選別が結構ウルサイ(慎重)です。惹かれるものがあっても直ぐに飛びついたりしません。『ゆみみみっくす』は当時、最初に発売された家庭用ゲーム機メガドライブからセガサターンに移植され、その移植版販売のためのチラシだったようです。
私は当時セガサターンを持っていませんでしたので、たとえ『ゆみみみっくす』を買ったとしてもゲームをすることは出来ませんでした。しかし、とにもかくにも『ゆみみみっくす』のチラシの雰囲気に妙に惹かれるものがあったため、そのチラシを貰ってきたのですが、随分暫く引き出しの中に入れてくしゃくしゃになっていました。
そのチラシ一枚の、絵や雰囲気に私は惹かれる一方で、矛盾することに『絵がカワイイ』ということ自体に対し、抵抗感もあったような気がします。竹本泉先生自身の言うところの「ロリーな絵柄」(『さよりなパラレル』旧版あとがき参照)というヤツです。
それ以前に私がハマった宮崎駿作品も、『不思議の海のナディア』も、「ロリーな絵柄」という感じではありませんでした。それまでに私が受け入れた「ロリーな絵柄」としては「プリンセスメーカー」というゲーム作品がありますが、これはシミュレーションゲームの可能性を光栄『信長の野望』初期版の時代から注目していた私としてはゲーム内容自体に注目したものであり、赤井氏の絵はあくまでオマケのつもりでした。
ただし赤井氏による『プリンセスメーカー』のクラシック風な表紙にはかなり惹かれたのは確かでして、『プリンセスメーカー2』は「絵がいまいち...」という理由で買わなかったりしましたが(汗)。
その後、『ゆみみみっくす』の作者が竹本泉という作家であることを知り、馴染みの漫画屋で特集として平積みされていたもの手に取る機会がありました。しかしながらその時に手に取り、立ち読みした作品は残念ながら私の満足の行くものではなく、「う〜ん、こんな漫画を書く人なのか」という認識程度で終わりました。
この時に手に取った作品はどうも『しましま曜日』だったように思います。しかしやはり気になるのです。そこで後日、しつこくも他の作品を立ち読みしましたが、その時に「これはっ!これなら買うっ!」と思ったのが『ルプ☆さらだ』という作品でした。そしてそこから結局、他の作品も買い始め、後は同作家の作品をだだだっと集め始めるという、典型的な「ハマり」の道を辿りました。
現在、竹本泉作品はどれもこれも一通り好きなのですが、それでも最初に読んでためらった作品『しましま曜日』はあまりお気に入りな方ではなかったりします。(これを言ったらメーリングリストで一部の方にショックを与えてしまいましたが...^^;;)
すなわち最初に読んだ作品が他の作品に比べて自分の好みでなかったんですね。今、よくよく考えてみると、最初に『しましま曜日』だけを読んで一端思い止まったということは、私が竹本泉作品を大好きなのは決して絵柄という要素だけではなく、内容(ストーリー)も非常に関係する、ということの証になるでしょうか。
絵柄だけで気に入ったのならば『しましま曜日』だけで買い始めていたでしょう。あるいは内容(ストーリー)にこだわったのでなかったら、『ルプ☆さらだ』を読んでも『しましま曜日』だけを読んだときと同様に「ふ〜ん」だけで終わっていたでしょう。まあそんなこんなで「きっかけ」を掴んだ私は、他の場合と同様に、ずぶずぶとファンの道を歩んでいったのでありました。『ゆみみみっくす』の為に家庭用ゲーム機セガ・サターンを買ったこととかは、また別な話。
さて竹本作品の一体、どこが面白いか....それはこのサイト全体で書かせて、出させて、感じさせて頂きたいと思ってます。このサイトが何かしら、あなたと竹本泉作品の接点になることを願って....