はじめての「いずみずむ」 〜あんなこんな初心者に勧める、竹本泉のあの3作品!〜 |
2003/09/23 初版 2003/09/25 1.2版 2003/09/26 1.2.1版 2003/10/15 1.3版 2004/02/28 1.4版 2004/03/03 1.4.1版 (近日更新部青色) |
余談:私が別に作っている中国史関係のサイト「私的中国史調査会」でも、同様な動機で作った初心者向けページ「中国通史をさらっと読む頁」「初心者のための中国史書籍指南」が結構評判が良かった覚えがあります。
竹本泉先生の作品は、どれも似たり寄ったり....に見えて、実はそうでもなかったりします。そんなわけで、初めて竹本泉作品に触れる方々を想定し、タイプ別に竹本泉作品を紹介・推薦したいと思います。
でも、私・高崎が「こういう人にはこの作品から読めば良いんじゃないかな〜」と思っても、他の竹本泉ファンには「これの方がいいのでは!」という場合があるかと思います。ですから他の竹本泉ファンの方が意見を投稿できる投票板をリンクさせることにしました。
ファンの方々、竹本泉作品普及の為に良ろしければ協力して下さい♪
[注2]各項目で紹介している3作品もしくは「お勧め順序」は突如変化することがあります。勿論、高崎の気分によるものです。ファンの方々の投票・投稿にも影響を受けるかもしれません。そのようなわけでコメントの最後には最終更新日を記しています。
[注3]きっとその3冊に違和感すなわち「自分だったら違う」と思う竹本ファンも多いでしょう。その場合には是非そのすぐ下の「こちらへ」から投票・記帳して下さい♪
ちなみに既に3冊に上がっているものでも何か記帳をしたい場合には投票して構いません。
[注4]このページの目的上、私自身のコメントは「ネタバレ」を極力避けるようにしています。ただし投票・記帳のページでは皆さんにお任せしていますので、それらの保証は出来ませんから、竹本作品未読の方は投票・記帳ページではお気をつけてお進み下さい(ってどうやって?^_^;)
[注5]書籍のリンク先は「イーエスブックス」「jbooks」「bk1(三省堂)」「エンターブレイン」「楽天ブックス」など本屋、出版社様のサイト下へのリンクです。
■竹本泉作品の雰囲気全体を短編でぱっぱっぱっと読みたい人には....
・高崎が薦める作品
1.『ばばろあえほん』
2.『ちまりまわるつ』
3.『ぴこぴこのきらきら』
・他の作品あるいは他の竹本ファンがお薦めする作品は...こちらへ!
【解説】
ここには「竹本作品を知りたいならとにかく是非これを!」という、特に精選した作品を紹介したいのですが.....難しいですね〜。好みもありますし。ということで、あくまで高崎の好みと判断で3冊を選んでみました。
『ちまりまわるつ』の「ちまりシリーズ」は最初、少女漫画雑誌「なかよし」系の雑誌で描かれた作品であったことから「少女漫画」の雰囲気を結構残していますが、上記3冊の残りの作品はほとんどが「アップルミステリー」という雑誌に掲載されたものであり、竹本先生が特定のジャンルや周りの雰囲気に縛られずに、自由にのびのびと書いていった作品が多いように思います。
上の3冊の内容は基本的に短編から成り立っていますけれども、魔法ものあり、宇宙ものあり、学園コメディものあり、変な話あり...と竹本作品ではしばしば出てくる舞台が一通り入っていて、竹本泉先生の作品を知る上では、なかなかいいんじゃないかなあ...と思って選びました。
順番なんですが、高崎の個人的には、そして巷の評判も『ぴこぴこのきらきら』(の特に「ぴこぴこるいるい」と「ぴこぴこぶんぶん」?)がかなり良い感じで、一番目にしたい所だったんですが、けれども『ぴこぴこのきらきら』コミック一冊としては「学園もの」の要素が多く、竹本泉先生の作品全体を反映しているとは言い難いので、敢えて3番目にしてあります。(2003/10/15)
・高崎が薦める作品
1.『はたらきもの』
2.『ちまりまわるつ』
3.『魔法使いさんおしずかに!』(1)(2)
・他の作品あるいは他の竹本ファンがお薦めする作品は...こちらへ!
【解説】
「いずみずむなりろん」で少し書き始めているように、竹本泉作品の属するジャンルは「ファンタジー」になると思うのですが、ファンタジーの王道たる「魔法もの」は実は竹本作品では多くないです。
『はたらきもの』も『ちまりまわるつ』も魔法が出てくるのは一部の作品すなわち「ふわふわシリーズ」と「ちまりシリーズ」だけです。これに続いて「シャルペロシリーズ」の入っている『世の中なまほう』も是非加えたかったのですが、3冊という制限を考えたとき「シャルペロシリーズ」は「ちまりシリーズ」との関係が強く、偏る気がしましたので泣く泣く外しました。
『魔法使いさんおしずかに!』は竹本泉作品の中でも初期に属する作品で、少女漫画的な雰囲気をかなり残していると同時に、それ以降の作品に比べると通常のファンタジーっぽい要素を多く使っています。すなわちある種、「借り物」的な雰囲気が大きいと感じてしまうのですが、それはとりも直さず、それ以降の竹本作品が極めて独自の雰囲気を持っていると言うことなんでしょうか?
それでもスゴイと思ったのは、私は2002/12に復刊したものを遅まきながら読んだのですが、初期の作品とは言っても、全く「漫画として後の作品に比べると熟していない」という感じではなく、きちんとした、気持ちよく読める作品に仕上がっていることです。竹本泉先生作品全体を知る上では十分に読む価値があると思います。(2003/10/15)
■ファンタジーとかSFなんて所詮おとぎ話だよな〜って人には...
・高崎が薦める作品
1.『てけてけマイハート』(1)〜(3)〜
2.『むきもの67%』
3.『ルプ☆さらだ』
・他の作品あるいは他の竹本ファンがお薦めする作品は...こちらへ!
【解説】
竹本泉作品にはやはりファンタジー・SFの要素が強いのですが、そんな中でまずちょっと異色なのが2003年現在連載中の『てけてけマイハート』です。まあいわゆる「ほのぼのまんが」系です。
で、それ以外に関してなんですが、竹本泉作品に占める割合の多い学園コメディは、必ずしもファンタジーもしくは「変な話」ではないんですよね。まあそのような「ファンタジーでは全然ない学園コメディ」の代表としてここでは『むきもの67%』を選びました。
それから『ルプ☆さらだ』はファンタジー(もしくは「変な話」)と「普通の話」を結ぶ作品だと思っています(笑)。
私は小中学生の頃は佐藤さとる作品、星新一作品など、結構ファンタジーが好きでしたが、その後はその手の作品は疎遠になり、「実際の歴史」の方に強く興味を抱くようになりました(まあ本や漫画以外で言えば、私がハマった宮崎駿作品もファンタジーと言えばファンタジーなのですが...)。
そんな、「所詮おとぎ話だしナア」という気持ちも既に強かった時に「あ、この作品内容イイ!」と感じて竹本泉作品を集めるきっかになったのが実は『ルプ☆さらだ』だったのです。私に「竹本泉的ファンタジー(変な世界)」に導いてくれた作品として選ばせて貰いました。(2003/10/15)
・高崎が薦める作品
1.『ねこめ〜わく』(1)
(2) (3)
2.『てきぱきワーキン♥ラブ』(1)
(3) (4)
3.『苺タイムス』
(番外)『ある日のツヴァイ』(→漫画随筆で特異です)
・他の作品あるいは他の竹本ファンがお薦めする作品は...こちらへ!
【解説】
竹本作品の猫には3系統あると高崎は分析しています。その中で一番可愛いのが『てきぱきワーキン♥ラブ』の「じーく菜」に代表される「お目目真ん丸系のふさふさ猫」ですね(^_^)。『てきぱき』では一部にしか過ぎないんですが、ヒカルとのコンビがいつも良い感じを出しているので選んでみました。ちなみに、一応その頻度が高い巻を選んでいます。
『ねこめ〜わく』はタイトルからしてもはや読む前の方には解説不要だと思います。ただし主人公(主猫公?)達は「可愛い系の猫」ではなかったりするんですが、まあ「猫好き」を自負するならやはりここからでしょうか?。竹本先生のライフワークという話もあります(笑)。
番外で入れた『ある日のツヴァイ』は(多分)竹本先生初の随筆漫画であり、竹本泉先生の家族と愛猫の生活日誌です。「猫好き」の人には楽しめると思います。
最初「てきぱき」「ねこめ〜わく」「ツヴァイ」の3作品にしていたのですが、やっぱり「ツヴァイ」は特殊かなあ、と思い、代わりに『苺タイムス』を入れました。苺タイムスは当時の副編集長さんのお陰で猫度(ふゅん菜度)がとても高くなっています。そうかあ、それもあって私が好きなんだ(笑)。
・高崎が薦める作品
1.『せ〜ふくもの』
1.『よみきりもの』(1)〜(6)〜
1.『ぴこぴこのきらきら』
・他の作品あるいは他の竹本ファンがお薦めする作品は...こちらへ!
【解説】
竹本泉作品で制服を着た中高生達の「学園ものコメディ」の割合は相当に多いです。これはやはり少女漫画出身という影響があるんでしょうかね。しかしながら通常であれば「学園物コメディ」は「スポーツ物」になるか「恋愛物(すなわちラブコメ?)」になりやすいと思うんですが、スポーツものにならないはともかくとしても、ラブコメにもなかなかならないのが竹本泉作品の特徴です(笑)
にもかかわらず、楽しそうに青春やっています...というか、「青春」という言葉にも違和感が(^_^;)
で、今回選んだ作品は全て同順位でありまして、甲乙付け難しです。
『せ〜ふくもの』はタイトルの秘密もあって必読のみならず、みちるシリーズは相当評判が良いようですね。『よみきりもの』は2003年刊行中の私の大好きなシリーズで、基本的に(ほとんどは)「読み切り」なのでどれから買っても大丈夫です。私としては今のところ1巻が好きな話が一番多いですかね。『ぴこぴこのきらきら』は私も大好き、評判も良いです。純粋に学園ものとは言いにくいのかもしれませんが、やはりこれを薦めないではいられません。
ちなみに「よみきり▽もの」作品人気投票をやっています♪(ネタばれ注意です)(2003/10/15)
■竹本泉作品って「変な話」が多いらしいんだけどどういう意味?って人には...
・高崎が薦める作品
1.『うさぎパラダイス』
2.『アップルパラダイス』(1)〜(3)
・他の作品あるいは他の竹本ファンがお薦めする作品は...こちらへ!
【解説】
そもそも竹本作品はほかなりの作品が「変な話」でありまして、「変な話」を読みたい場合にまず上の作品から読み始める必要はない気がします。上の2作品のうち特に『アップルパラダイス』は「変な話」としてはかなりイッっちゃっています(笑)。あまりに行き過ぎていて、連載当時は結構私にも違和感...というか「ついていけない」思いがありました(^_^;;)。
一方で『うさぎパラダイス』は私もかなり好きな作品で「変な話」の度合いもなかなかちょうど良く、初心者には結構お勧めだと思います。
・高崎が薦める作品
1.「トランジスタにヴィーナス」(1)〜(6)〜
2.「アップルパラダイス」(1)
・他の作品あるいは他の竹本ファンがお薦めする作品は...こちらへ!
【解説】
竹本泉先生はSF好きだそうで、SFの古典作品はかなり読んでいらっしゃるようなんですが、私は全く無知なのでどのような形で作品に反映されているのかよく分かりません〜。取りあえず、「アッパラ」1巻を追加。ということで投票ページで識者の見解をお待ちしています。
ちなみに「トランジスタにヴィーナス」は「おいろけもの」です(笑)。
・高崎が薦める作品
1.「竹本泉初期作品集 夢見る7月猫(ジュライキャット)」
2.「パイナップルみたい」
3.「あおいちゃんパニック」(1)〜(3)
・他の作品あるいは他の竹本ファンがお薦めする作品は...こちらへ!
【解説】
竹本泉先生は少女漫画家でした。「少女の漫画家」ではなく「少女漫画の漫画家」です(笑)。具体的には少女漫画雑誌「なかよし」での御活躍が最初でした。上の作品達はその当時、あるいはその頃の雰囲気を色濃く残している作品達です。
2003年後半に発売された初期作品集が圧倒的に少女漫画の雰囲気を残しており、いきなり1位に入りました。
・高崎が薦める作品(基本的に各話完結)
1.「さよりなパラレル」(1)〜(4)(一部続きもの)
2.「てきぱきワーキン♥ラブ」(1)〜(6)
3.「アップルパラダイス」(1)〜(3)
・他の作品あるいは他の竹本ファンがお薦めする作品は...こちらへ!
【解説】
長編ではなくて「長期連載」の作品です。竹本先生は同じキャラをずっと書くことに飽きやすく、短編読み切りの方が好きであるようなことを先生御自身が述べられています。少女漫画の頃のものはそれなりに長期連載、長編な気がするんですが、先生の活躍舞台が少女漫画から移って以降は基本的に各話完結のものが大変多いようです。
「さよりな」は「続きもの」も入っており完全に各話完結ではないんですが、私が個人的にかなり好きな作品ですし、「各話完結」が原則である竹本泉連載の中で、次第に「続きもの」が増えていく典型的な例ですので筆頭にしました。
「てきぱき」「アップルパラダイス」は完全に各話完結のようです。なお「てきぱき」は一回の話のページ数が増えた3巻以降の方が私は好きですね〜。
・高崎が薦める作品
1.「トランジスタにヴィーナス」(3)(4)(5)(続きものが結構ある)
2.「さよりなパラレル」(1)〜(4)(長編というか続きものが一部ある)
3.「パイナップルみたい」
・他の作品あるいは他の竹本ファンがお薦めする作品は...こちらへ!
【解説】
前述のように長期連載でさえ苦手というくらいですので、長編すなわち続く話はもっと苦手なようなことをおっしゃっています。と言うことで、ここで紹介した作品は厳密な意味で長編と言うより「長期連載の中に続きものが多いもの」ですね。
ちなみに「トランジスタにヴィーナス」は「おいろけもの」です(笑)。
長編と言えるようなものはむしろ少女漫画時代の作品に関して言える気がするのですが、その代表として「ぱいなっぷるみたい」を挙げました。「パイナップルみたい」は完全に少女漫画的雰囲気を持つ「ラブコメディ」で、その後の作品の雰囲気とは大きく違います(「『いずみずむな』なりろん」参照のこと)。他の少女漫画時代の作品は投票ページで紹介します。
■ファミコン、セガサターン、プレイステーションのゲームなら結構やったよ、って人には....
・高崎が薦める作品
1.「苺タイムス」
2.「いろいろのーと&いろいろですく」
・他の作品あるいは他の竹本ファンがお薦めする作品は...こちらへ!
【解説】
竹本泉先生はファミコン時代からのゲーム好きでして....私、家庭用ゲームのゲームしないんですよね(笑)。やっと「いろいろのーと&いろいろですく」を入手。素晴らしい〜。
・高崎が薦める作品
1.「トランジスタにヴィーナス」(1)〜(5)〜
2.「トゥインクルスター のんのんじー」
3.「乙女アトラス」(1)(2)
・他の作品あるいは他の竹本ファンがお薦めする作品は...こちらへ!
【解説】
竹本泉作品の特徴の一つに「お子さまでも安心して読める」というのがあります(笑)。まあ言ってみれば「エログロなし、Hどころかヌードですら出てこない」というものです。それはたぶんに少女漫画「なかよし」の頃の雰囲気を引きずっていたからであり、御自身でも「さよりなパラレル」(旧版)の「あとがき」にその旨を書いておられます。
しかし少女漫画家というくびきが取れて随分時間が経ち、竹本泉先生も次第に「色っぽい」雰囲気(というかキャラクター?)の作品をお書きになるようになりました。「うさぎパラダイス」にかなり色っぽい服の女性が出てきた「あとがき」で
「じつはこーゆーの(高崎注・グラマーで肌の露出した女性)かくの、結構すきなんだけどね。どーでも良いことですがぼくの漫画の主人公にはあまりバストがありません。その反動のせいか時々グラマーなキャラを書きたくなります」
とお書きになっていますが、やがて「時々」ではなくなり、「トランジスタにヴィーナス」(以下、トラヴィと略す)はそればっかりの作品になりました。
色っぽいキャラクターの話に止まらず、竹本泉作品には作風の変化(絵と内容の両方)があり、どの時期の作品を好むかに関してははファンの中でも違いがあるようなんですが、上のような色っぽい女性の登場・活躍する傾向に対して「どうも受け入れがたい」と考えているファンは結構な程度いるようです。
かく言う私もどちらかというと苦手で、特に「トラヴィ」が始まる前に初めて「のんのんじー」を読んだ際、相当の違和感がありました。
トラヴィは慣れました(笑)。それでも、私は「トラヴィ」の中では脇役とか、イーナスの殿下に対する少女のような行動が好きな部分だったりします。