「いずみずむ」なしょうかい
2002/07/11 初版 2002/10/14 1.1版
2002/11/09 1.1.2版 2004/02/27 1.3版
2004/10/04 1.4版

竹本作品に関するコミック類の入手は以下のようなところで出来ます。

Yahoo!ブックスショッピング/楽天 本・コミックス / オンライン書店bk1当サイト提携

リンク集からもどうぞ。


-がくえんもの-

 竹本作品は少女漫画から出発したこともあり、登場人物達の年齢が中高生あたりが多い。その結果、学校が何かしら舞台となる話は多い。すなわち以下以外にも「がくえんもの」であるものは多いのであり、ここに分類したものはむしろ他の特徴が少ない作品と言える。
   

よみきりもの(1)〜(7)〜

基本的に学校生活を送るいろいろな少女達の読み切り漫画集。作者曰く「変な話」ではなく「ふつ〜の、はなし♪」というのがうたい文句であるが、次第に怪しくなりつつある。

コメント: 「そ〜そ〜、これこれっ」って感じの私が一番好きなタイプの竹本泉作品シリーズである。特に1巻では各物語の少女達の個性が爆発。私は第1巻「あう」(水巻優子)「あっちこっち」(織島みつね)「わらい」(長谷川笑子)の三編が異常なお気に入りである。3巻では以前に他誌で掲載された読み切りもの(「ブックスパラダイス」シリーズ、森永う子)も入っているのだが、全く違和感無く納まっているとことが竹本泉作品のすごい所だ。

 確かに竹本先生の「変な話」の中では比較的「ふつう」なのだが、それにもかかわらず「どこか変」(いや!たしかに変!笑)で面白い。また、各物語に配置されているサブキャラ達も、男子女子問わず非常に良い雰囲気を出している。

 ちなみにこの漫画を読んだ為、携帯電話の「AU」は「あう」と発音ばっかりするものだと思っていた(02/10/14)

「よみきり▽もの」作品人気投票やっています♪

大平みちるシリーズ(3話)/『せ〜ふくもの』所収

 中学に入るまでスカートをはいたことがないという、ボーイッシュでバリバリとした足蹴り少女、大平みちると、それにちょっかいを出す三人男子の物語。

コメント:竹本泉キャラには元気爆発の少女がしばしば登場するが、大平みちるもその典型的な一人である。作者の言い方をすれば「このキャラは勝手に動いてくれて書きやすい」ということのようだ。サブキャラの男子三人が振り回されながら話が進む。これを可愛いというべきなのかは確かに微妙なのだが...みちるの「動」に対して、「名前のない女の子」の「静」のバランスも見ていて楽しい。

 お母さんにモゴモゴ顔を拭かれる姿がなんとはなしに気に入っている。

#余談だが男子三人は「河原崎」「堺」「大橋」という苗字なのだが下の名前がない模様。竹本先生はあとがきで「河原崎しか名前が出ていない」と書いているが、この「名前」とはその苗字自体が作品に出てこない(登場する冒頭のコマを除く)と言うことだろうか?しかし確かに河原崎が一番多いが大橋も苗字は少なくとも2回出ている)(04/01/28)

14ガールシリーズ(2話)/『ぴこぴこのきらきら所収

変わった制服を持つ学校に通う、さくま鳩子とよしはら聖子。彼女らの通学姿を見守る別な学校の男子生徒・大塚かおるの目的は...?

コメント:変なことは何も起こらないのに、変な話である。というか制服が変なだけで、変な話になっているというのがすごい。掲載された雑誌は初刊号で潰れたコスプレネタの雑誌らしいがWWW上で見た表紙の雰囲気はえらく竹本泉作品と違和感があった...(02/09/09)

むきものシリーズ(4話)/『むきもの67%』所収

あちこちを向いた少年少女達が活躍するお話。元気爆発の少女は宮島洋。ついつい後ろ向きになりがちな中沢明子。横向きの州堂周一。どちらでもない中久保道之。

コメント:竹本泉キャラのいろいろなタイプがゴージャスに出るシリーズ。私はどう考えても中沢明子の雰囲気がよく分かり、懐かしくさえある。あとがきで「変なものを買わされないようにね」とか言われちゃっているが、こういう性格は多分そういうのは買わない。むしろチャンスを逃がして「買っておけば良かった」と後悔するタイプだと思う(02/07/11)

せいふくもの/『せ〜ふくもの』所収

 コミック「せ〜ふくもの」の中の「せいふくもの」。密かに世界制覇を目指す天才女子高生・糸川朝季子と男子転入生・飯島正美の物語。

コメント:タイトルの付け方の絶妙さが笑えるが、それはともかく、竹本作品では糸川のようなキャラクタは比較的脇役に多く、『ゆみみみっくす』の桜子、『だいなあいらん』のあんじぇ等が挙げられる。もっとも彼女らは才気煥発なツッコミ少女ではあるが、糸川のような天才キャラという設定ではなく、また糸川はむしろ「ボケ」側であり、その点でこの糸川のキャラクターは竹本作品の中でもちょっと異色(02/07/11)

愛の嵐/『むきもの67%』所収

未稿

くしゃくしゃの中身/『むきもの67%』所収

未稿

地面が大好き/『せ〜ふくもの』所収

高所恐怖症である次葉弥生の苦心談。

コメント:竹本泉先生はイラスト集で「ポニーテールが好き」と白状しているが、弥生もその一人であろう。とりわけ先生の好きな某アニメキャラから持ってきたようだから結構お気に入りキャラなのではなかろうか。

 といっても内容上、シリーズ化するような話でもなく、高所恐怖症から「百合」のレッテルを貼られた弥生の社会復帰でちゃんちゃんという話である。しかしこの作品では弥生よりも相手をする深沢の方が結構ヘンな気がする。

 そういえば「てきぱき」のナオミも黒髪ポニーテールのキャラだが、高所恐怖症という設定であるのを見ると、次葉の設定はナオミになんとなく受け継がれたのであろうか(02/07/11)


-はたらきもの-

 いつの間にか竹本泉作品で確立しつつあるこのジャンル。竹本作品の少女達はなぜか結構働き者で、すでに職業に就いていることが多い。児童福祉法に引っかからないのは23世紀という設定だから。そこではなんちゃら記憶テープとか言う科学の進歩で、早期(12〜13歳)に高等教育(大学など)を卒業可能になったという設定である。
 働く少女達はどれも自分の仕事にてきぱきと前向きなのが特徴だ。

 

てきぱきシリーズ
/『てきぱきワーキン♥ラブ』(1)〜(6)、「てきぱき▽ワーキングラブ」(PCエンジン、PC-FX)

23世紀、人類が火星などへ進出している時代。ヒカル、ナオミ、エダルトは「すぐやる課」の未来版「その他省」で働くメンバー。その3人のところへは毎日変な いろいろな仕事の依頼がある。

コメント:なんともすごい設定である。もともとはPCエンジンのゲーム用に考え出され、それとのタイアップで連載が始まった。連載終了当時、竹本泉作品では最多の全6巻完結。私としては各話が短い最初(1,2巻)よりも、各話が長くなった3巻目以降の方が面白くなっていった気がする。

 ヒカルは典型的な竹本泉キャラ。ゲームでヒカルの声を担当した声優・柳瀬なつみの言葉を借りれば「ドジでおっちょこちょいで明るくて、ふわふわした」キャラである。ナオミは溌剌元気、直情径行一直線のキャラで実はこれも典型的な竹本キャラ。エダルトは実は少女ではなく、男の子なのだが連載半年後に漫画雑誌の編集長から「いつの間に男になった?」と言われるほど端正な顔立ちの、冷静・沈着・クール・堅いキャラである。冗談の通じない、この手のキャラじは竹本作品では比較的珍しい。けれどもひたすら明るい前者2者に対応してこのキャラが配置されているのはバランスが取れていて、なかなか秀逸である。そういえば「アップルミステリー」の三少女のうち、西園寺もエダルトと似たような感じの静かさ・冷静さを持っている。

 ゲームはPCエンジン板とPC-FX版では少し違っていて、前者は「育てゲー+アドベンチャー」だったのだが後者ではアドベンチャーのみの要素となっている。設定とストーリーに関して竹本氏が全面的に関わっているのでとっても竹本的なゲームになっている(愛機「いずみみっくす」化計画参照のこと)。(2002/11/9)

ロケットガールシリーズ/『はたらきもの』『はたらきもの音盤(ドラマCD)』所収

未稿

宇宙海賊少女ラジャシリーズ/『ちまりまわるつ』『ばばろあえほん』所収

商船(宇宙船)の艦長だったおじいさんが亡くなり、孫である少女ハリエリ・ラジャ・リンドン(15)が船員達に呼ばれてみると、おじいさんのやっていたのは実は海賊稼業だった。遺言により渋々宇宙海賊の女船長になる彼女であったが...

コメント:個人的にかなり好きなシリーズ。海賊稼業なんてどう考えても悪者なのだがちっとも悪者らしく書かない、書いても悪者に見させないのが竹本泉的なところ。すべて合わせて3話しかなく、しかもメインの2話でころころ髪が変わる不思議なキャラ。続編書いて欲しいなあ...(2002/12/02)

アニーパトロールシリーズ/『ばばろあえほん』所収

オネコネアラ・アニー・フジサキは13歳の宇宙パトロールの少女警察官。

コメント:ラジャシリーズの「あとがき」によると、ラジャはこのアニーシリーズのゲストキャラとして考え出されたらしい。設定としてはラジャが17歳美少女で、アニー13歳が対決する?という構図なのかな。

両者とも2話ばかりしかないのは残念。もっとも私はラジャシリーズの方が好きなんだけど。(2002/12/02)

・クララと甘い生活/『ちまりまわるつ』所収

未稿


-まほ〜もの-

竹本作品の基本はファンタジーと見られることが多いようだ。ファンタジーの元祖といえば「剣と魔法」なのであるが、冒険ものでない竹本作品には剣はほとんど出てこない。その代わりに魔法ものがあるわけだが、実はそれも多くない。この辺が通常のファンタジー作品と異なる点とも言えるかもしれない。竹本作品は「魔法」という明らかに超人的な要素をあまり使わずに、別な部分でファンタジーなのである。

 

ちまりシリーズ/ 『ちまりまわるつ』 『ばばろあえほん』所収

 魔法が別に不思議なものではなく、「スキル」の一つに過ぎない世界。魔法店を開くママ、魔法の勉強に頑張るおっちょこちょいな木苺ちまりと、ボーイフレンド米太郎が活躍するお話。

コメント:この作品はかなりの人気を誇るらしい。何が良いかというと多分「ちまりちゃんが可愛い」ということに尽きるのだと思う。

「え〜ん」「しくしく」「ちまちま」という感じ(どういう感じ?^^;;)のキャラクター特徴は『ちょっとコマーシャル』のひとみを受け継ぎつつ、さらには後の竹本作品における竹本キャラの重要な雰囲気を代表しており、また「魔法がスキルの一つ」という世界観とも相まって竹本先生のその後の方向性を示唆していた作品のように感じられる。

 今見ると最初に書かれたのは89年で、宮崎駿アニメーション『魔女の宅急便』と全く同時期に発表されたようだ。竹本先生はアニメ好きなようだが、数年前から考えていたプロットだということを「あとがき」で述べているので、この作品に関しては前者の影響を受けたものではないのだろう。竹本先生は発想ネタを隠すような人ではなく、むしろ「あとがき」でネタをばらすのが好きな人なので、「魔法が日常のスキルの一つ」という類似作品が同時期に出たのは偶然だと思われる。

 私は宮崎駿マニアだったので、宮崎氏の作品にはかなり思い入れがあるが、実は今回の文を書くまで両者の類似性に気がつかなかった。

 竹本作品を語る上では欠かせない重要作品である(02/07/11)

シャルペロシリーズ/『世の中なまほう』所収

ちまりシリーズの密かな続編。舞台は同じだが主人公は新キャラ・雁草深太と茗荷谷ひばり、そして深太にひろわれた使い魔の素質を持つ猫・シャルペロのお話。脇役として出てくる木苺ちまりのママ(美人の未亡人)が非常に良い雰囲気を出す。

コメント:竹本作品ではしばしば動物が登場するが、この作品のシャルペロもその流れを汲む。だが他作品と違って話を進める際のファクターにはなっておらず、むしろ台風の目のように、彼自体はほとんど何もないのだけど、周りで話が進んでいく。

 作品の一つのタイトル「まほうつかいなきっかけ」のその言葉通り、深太と魔法の関係を導く為に出てきたキャラクターのようだ。少しぼんよりとした男の子と勝ち気な女の子の間の「ボケとつっこみのやり取り」は「うさぎパラダイス」や「だいなあいらん」、その他の作品にも見られる竹本作品の典型例である(02/07/11)

ふわふわエレンシリーズ/『はたらきもの』『はたらきもの音盤(ドラマCD)』所収

 いつまでも歳をとらないポワワンとした、恋人の欲しい魔法少女、ふわふわエレン・オーレウスが活躍する物語。

コメント:ちまり、シャルペロの舞台が魔法を特に不思議なものとしない世界であるのに対し、時代によって魔法への価値観が変わっていくという、実際の歴史の中にポワワンと生きていく少女を配置しているこの作品は、竹本シリーズの中でも若干異色である。

 3話並んでいるのを連続で読んだ最初の印象は正直、少し悲しかった。3話を別々に読めばそんなことはないのだろうが、通して読むとエレンの周りは時代が進んでいくのに、それに取り残されているように感じるからだ。

 しかし作品としては微塵もそういう雰囲気は出しておらず、「ものおぼえが良くない」エレンはチマチマとして可愛いキャラクターであり、それぞれの時代をポワワンと楽しんでいて、唯一の悩みは「魔法を使うと髪が静電気でパチパチする」「そのせいか恋人ができない」ことなのであるが、そういうエレンの明るさがこの物語の印象を明るくしている。

 あとがきにあるエレンの空を見上げる姿が少し寂しそうに感じるのは私の気のせいだろうか。人間が平等に死ぬというのはある種当たり前のことなのであり、昔の人はむしろ死を嘆いて不老長寿を願ったのであるが、果たしてそれを達成したとき、彼らは幸福なのであろうか、と思ってしまう。いやだからこそ「物忘れ」が重要なのであろう(02/07/11)

地球から離れた魔人/『虹色♪爆発娘▽』所収

コメント:竹本作品の中で悪さをする人々の登場は希である。この魔人は地球で悪さをしていたらしく、話の中でも自暴自棄になって悪さをし、「魔人だから悪さをするのが当たり前」と豪語するが結局はおとなしくなる。この魔人もふわふわエレンと同様に歳を取らないので、どこかもの悲しさがあるがそんなことを微塵も見せない魔人の剛毅さがそれを救っている。

 作品の余韻がなんともよく、いろいろと想像をさせる出来になっている(02/07/11)

・超能力少女ヒロミ/『虹色♪爆発娘▽』所収

未稿


-すぺ〜すもの-

 竹本泉作品での舞台は必ずしも地球に限らない。広大な宇宙を駆けめぐる挑戦者達も登場する。もっとも舞台が宇宙であっても「いつもな感じ」の竹本調である。
 というのも彼らの活躍は宇宙船の中などの場合がとても少なく、どちらかというと地球以外の惑星の上が活躍の場となることが多いのだ。そういう点で竹本作品は「地面に足がついた」話が多い。
 なお、「宇宙」が舞台になっているのは宇宙海賊ラジャシリーズなども典型なのだが、ここで挙げたものは他の分類に入れられなかった作品群である。

 

・『トランジスタにヴィーナス(1)〜(7)

 列強が多くの星を領土としてせめぎ合う23世紀。「子供過ぎない女の子」と男の子が好きという、レズビアンの(おぃ)エイプリル・イーナスが「連合」の特殊能力を持つ女性諜報員として、宇宙を舞台に活躍するお話。

コメント:様々な分野で活躍を広げる竹本泉氏は青年誌にも進出してるが、2002年現在、その中でお色気度ナンバーワンの作品。以前、竹本泉MLで「竹本作品にはお色気は求めない」という意見があったが、私も結構そうである。順番としては以下で述べる「のんのんじー」「乙女アトラス」が竹本作品の「お色気もの」の流れの始まりだと思うのだが最初、「のんのんじー」と「アトラス」には結構違和感があった。

 『トラヴィ』はそれらに比較しても多分150%くらいのお色気度があるのだけど(当社比^^;)、実は私は結構気に入っている。何が面白いのかなあ、というとまず一つ思いつくのは脇役達の面白さにあるような気がする。

 帝国の敏腕スパイでライバル....のはずがほとんど引き立て役にしかなっていないグデロリン、サールス(トカゲ型宇宙人)に対するテレパス能力と(イーナスが)キスしたくなるふくよかな唇を持つ仲間のマリアアナを筆頭として、一回限りのキャラも含めて彼らの活躍がなかなか楽しませてくれる。

 考えてみると、今までの竹本作品の長期連載では必ずしも多様な脇役が出てきたわけではない。『さよりなパラレル』では行く世界が様々なパラレルワールドとはいえ、登場人物はお決まり・類似のキャラを中心とし、面白さは「飛ばされた先の変な世界のいろいろ〜」であった。『てきぱきワーキン▽ラブ』でも活躍は専ら主役の3人+ナーナを中心とする話が多く、面白いのは引き受ける「変な仕事のいろいろ」であった。

 ゆるゆると続いている『ねこめ〜わく』の登場人物は極めて限定され、「猫たちが起こす変な行動のいろいろー」が面白みであろう。

 それに対してこの「トラヴィ」ではたびたび出てくるキャラ達や一度きりっぽい脇役キャラがそれぞれ「いろいろ」で、微笑ましい活躍をしてくれるのであり、彼らが妙に竹本泉先生らしい味をうまく出しているのだ。(02/10/14)

・『乙女アトラス』(1)〜(2)

草帯あけるなは観察員。1960年代、地球には大きな異変が起こり、いくつかの宇宙人を交えて訳の分からない世界となった。地球人は現在、ようやく名ばかりの主権を回復したが実質的にはポッポ、タルタレンなどの異星人に地球上の多くの領域を占められている。地球に起こった異変を解明する手がかりとなると考えて設けられたのが記録をつける観察員の仕事であった。そんな中、突如として地球に降りてきた、というか降りてきた3人の少女たち。一体彼女らはなんなのか。

コメント:竹本作品での今までの宇宙人はトカゲか火星人が多かったが、それ以外の宇宙人が派手に活躍する作品。比較的舞台背景が掴みやすいのが竹本作品の特徴でもあるが、本作品は謎が解き明かされるまで引っ張っていて、明かされたと思ったら終わってしまうという、いささかハイテンポ、ある意味中途半端な作品になっている。

 もともと竹本先生はあっさり種明かしをしてのんびり続けるようであったが、種明かしがずるずると少し延びたこと、連載誌が廃刊決定になったことから一気に終盤へと向かわざるを得なくなったのが事実らしい。(02/10/14)

のんのんじーシリーズ/『トゥインクルスターのんのんじーEX
』『トゥインクルスターのんのんじーEX』所収

世界に散らばって登場するスターピース。それを集めて地図として完成した者には世界の秘密を知ることが出きる。テー・ノンノンジー・パリンはそれを目指して、パートナーのカントン・一月・リリゲロメロらとスターピースを集める考古学者。彼らがスターピースを手に入れるときに立ちはだかる様々な難問とは?

コメント:当時、竹本泉作品のお色気度合いのアップに私がかなり違和感を感じた作品。今読んでみると、後の『アトラス』や『トラヴィ』に比べると大したことはない。

 例の如く、掲載紙の廃刊で中途で終わったらしく一巻だけなのか、継続される可能性があるのか未だによく分からない謎な作品。

....と書いていたのだけど、2004年9月『トゥインクルスターのんのんじーEX』が発売され、未収録だった3作品がコミック化。そのコミックは「なかがき・あとがき」以外に竹本泉先生の書き下ろしはない代わりに、他の漫画家が多数執筆しているという結構とんでもない漫画なのだけど、それはともかく「のんのんじー」の連載誌は廃刊したのではなく、当作品がアンケート不好評により連載中止になっただけの模様(汗汗)。

 その割にはその後、ファンの間では「のんのんじー」の評判を聞くのだが...(04/10/02)


-ど〜ぶつもの-

百合子様シリーズ
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『ねこめ〜わく』『ねこめ〜わく2』『ねこめ〜わく3
『ねこめ〜わく音盤(ドラマCD)』『ばばろあえほん』所収

 ひょんなことから猫の世界に呼び出されることになった女子高生・村上百合子。そこの世界には猫が二本足で立ち、人間の文明を守っている世界であった。しかもそこに一人だけ取り残された元・宇宙飛行士、ヘンリヒ・マイヤー。彼らが猫の世界で繰り広げる奇妙奇天烈な物語。

コメント:村上百合子様は竹本キャラの主人公の中で2002年現在、唯一「様」をつけなければいけないキャラクターである。なぜか?

....というのはまあ冗談としても、のんびりと少しずつ書かれ続けている息の長い作品。調べると最初の話は1991年に掲載されたらしい。

 「あとがき」に書いてある、この物語の発想「よくある話は悪魔を呼び出す物語だけど、逆に人間が呼び出される話を考えた」というのは非常にユニークとしかいいようがない。

 また竹本泉先生の特徴はいくつもあるけれど、その一つに猫がある。その書かれかたいくつかのパターンがあるのだけど、いずれにせよ猫が全面に出ているのがこの作品だ。

 竹本作品は少女漫画出であることもあって比較的、中高生の主人公が多く、百合子も高校生として始まるのだが、なぜか百合子には少し大人っぽい雰囲気がある。猫の世界の猫たちが幼いからとか、ヘンリヒがひねいてて大人げないからとかいう理由なのであろうか。

 ドラマCDも早くから出され、良い雰囲気だった。(02/10/14)

ザイモクシリーズ/『よのなかなまほう』所収

未稿。

・『だいなあいらん(ゲーム:セガサターン、Windows95)

 正式には「だいなあいらん」。

 「ゆみみみっくす」に続く、竹本先生のマルチストーリーアドベンチャーゲーム第二段。恐竜が発見されるとともに、音楽で調教できることが分かり、彼らを扱う「恐竜使い」という職業が誕生した。その養成学校で活躍する双子の姉妹、伊藤えみりと伊藤アンジェの物語。

コメント:「これをプレイせずして竹本泉を語る無かれ!」...というくらい竹本コミックの雰囲気がゲームに詰めこまれた作品。しかも出てくる歌がすべて竹本先生の作詞という超豪華さ(笑)。サターン用に作られたため『ゆみみ』に比べてアニメもバリバリ動き、まるで映画を見ているようである。竹本作品は悲しくもアニメ化されていませんが、取りあえずファンの心は満たされる。

 ふわふわな女の子とバリバリの女の子という組み合わせは竹本作品では十八番のパターンである。一方、この脇役のタイプはちょっと珍しい。クラスメートの男子・理論はのー天気型の設定のようだが、竹本先生お得の「お気楽キャラ」とはちょっと違う。パリンと麦太郎もちょっと珍しいかも。もっともパリンのように、主人公より少し年齡が上の、大人の雰囲気が入ったキャラは『てきぱき』のナーナ、『さよりな』の真川など、見られないこともない。

 それにしてもゲームの設定がいかにも竹本作品らしくて素晴らしい。(02/10/14)

・海洋パトロール アナ/『はたらきもの』『はたらきもの音盤(ドラマCD)』所収

未稿

・アイアイアイランド/『ばばろあえほん』所収

未稿


-ふしぎもの-

ぴこぴこシリーズ/『ぴこぴこのきらきら』所収

 女子中学生、奈々畑るいこと新居文子は働く少女。その仕事にはピコピコハンマーが欠かせない。果たして彼らの家業とは?

コメント:はっきりいってこんな突拍子もない世界を作り上げてしまう竹本先生は、とっても偉大である(笑)。続編無いのかな〜、ないんだろうなー。「女の子にぴこぴこはんまー」の一頁に満点。ちなみに私にとって勝手にspamと結びつけて考えてしまった記念すべき作品である。スパム反対論者は必読書(...うそ)。(02/10/14)

・『うさぎパラダイス/『うさぎパラダイス』

  天才発明家の孫でやはり天才、でもいつも寝ている少年・苺太とガールフレンド・美代世のお話。

コメント:私が結構好きな一冊。典型的な「変な話」だけどそれなりに抑えが効いているほか、どこかしら理論的であり、理知的な「変な話」である。また美代世と苺太のやりとりがなんとも可笑しいラブコメ(っていうのか?)になっており、個人的には非常に好きである。完結云々という話ではないと思うのだが一巻しかないのが残念。(02/10/14)

・『さよりなパラレル(1)〜(4)

 雷に打たれてからパラレルワールドを放浪することになってしまった岡島さより15歳のお話。一体彼女は元の世界に戻れるのか!?

コメント:コミック発刊当時、それまで最長だった「あおいちゃんパニック!」の巻数3巻を越えて、最長の4巻まで出した記念すべきシリーズ。

 これほど竹本泉先生が描くのにふさわしい舞台はないのではないか、と思うくらい見事な舞台背景である。変な世界と出来事が登場しまくりである。どんな世界に飛ばされるのか、次の世界に平行監視員・真上は出てくるのか、などを筆頭として、パラレルワールドでの人名や服装など、いろいろ楽しみながら読むことが出来る。

 この作品は継続中の時の面白さは無論のこと、終わりへの流れが非常に良かったと思う。かなり偶然、つまりは行き当たりばったりでこうなったというから実に面白い。さよりの帰還後に少し驚いた人もいるようだけれど、私としては非常に後味の良かった作品であった。

 竹書房版では後書きで竹本先生の(当時の)仕事割合が紹介されており、少女漫画から他分野への移行が進んでいた時期の作品であると分かる。新しく出た富士見書房(角川版)では各世界の服で並ぶさよりの表紙イラストがとっても良い。

 いろいろな意味で竹本作品を語るときには避けて通れない作品だ。(02/10/14)

ゆみみシリーズ/『ゆみみみっくす(ゲーム)』『しましま曜日(旧版)』所収

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ルププ・パウシリーズ/『ちょっとコマーシャル』『ばばろあえほん』所収

 親友のティム君との話をしているうちに、自分のお父さんの仕事に疑問を持ったアリス。お父さんの部屋の隠し通路を辿っていった先で、ティム君とアリスが見たものは....

 

・『アップルパラダイス(1)〜(3)

聖林檎楽園学園ではとにかく変なことが起こってばかり。でもそれは別におかしいことじゃない。だって聖林檎楽園学園だから。江崎まりあん、西園寺京子、朝ヶ丘絵里子を中心に話が回る。

コメント:ある意味、「変な話」の究極点に達している作品。竹本作品において「変な話」は一つの重要なファクターなのだが、この作品ではそれが奔放に書かれており、ある意味、竹本作品の究極を見ることが出きる気がする。正直なところ、この作品にはお手上げという感じの部分が否めなかった。あまりに突拍子もない出来事が起こり、それが「変だぜ」の一言で片づけられてしまう。

 この作品を竹本泉先生の他作品と比べてみると、他作品では変は変でも一定の抑制が効いていることが分かるだろう。本作品ではそのタガが外れている感じがする。

 これは必ずしもこの作品が面白くないと言っているわけではない。けれども何かしら理屈を求めようとする思考だと、この作品の「変さ」に慣れるのは少し時間がかかるかもしれない(笑)。

 だが竹本泉作品において「変な話」というのが一つの特徴であると考えるならば、竹本作品全体を語る上で欠かせない作品であるとも言えよう。(02/10/14)

・火星のお化け/『よのなかなまほう』所収

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・智美シリーズ/『虹色♪爆発娘▽』所収

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・水晶の卵/『虹色♪爆発娘▽』所収

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・智美シリーズ/『虹色♪爆発娘▽』所収

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・軽々マリコ/『虹色♪爆発娘▽』所収

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-にちじょ〜もの-

・『てけてけマイハート(1)〜(2)

中学の時のクラブの先輩・早坂のぞみと後輩・吉田茂が10年ぶりに再会してみると、なんと、のぞみは中学の時と変わらぬ、てけてけでちまちまなのであった。お茶して、お茶して、お茶するおつき合いを始める二人だが...

コメント:うっわ〜...竹本先生が(先生念願の?)ラブコメだ〜。しかも!ふつ〜の話!(....か?)。そして雰囲気はやっぱり同じ〜(笑)。

 そう言えば2002年7月現在連載中の『てけてけ』も『トラヴィ』も大人の話。お酒飲んだり、タバコ吸ったり。竹本先生の漫画、対象年玲アップ!(...ウソです)。それにしてもこれを四コマ漫画で描いてしまう先生...でもファンが許すからO.K!

 四コマ漫画誌で丸っきりそれを無視しているのが竹本泉先生らしいところであるが、それにしても雰囲気はとても遭っている(って、もとの雑誌のほうは買っていないけど)。

 竹本先生は少女漫画から出発して、どこのジャンルにも縛られない、先生独特の世界を築いているのが特徴である。竹本泉先生自身はジャンルに応じてTPOを選んできたらしいのだが、しているらしいのだが....

 けれども、敢えて似合うジャンルを挙げるとすれば、女性も楽しむような漫画雑誌のジャンルだと思うのだが気のせいだろうか?現在までのところ、「ルプ▽さらだ」が女性誌に連載されたと雰囲気はにている(02/10/14)

さらだシリーズ/『ルプさらだ』『ルププキューブ☆ルプさらだ(ゲーム)』所収

さらだは何でもかんでも疑問に思うお年頃。パパとかの大人達に素直に自分の疑問をぶつけてみる。そんなさらだに、おじさんは豊富な経験から諄々と話をしてやるのだが....

コメント:私・高崎が竹本泉作品の中で最初に買う決心をした(私にとって)記念すべき作品。それはともかく、おじさんの各話は典型的な「竹本泉的変な話」なのであるが、それがおじさんのホラ話とされているのはかなり竹本作品の中で特殊である。
 徹底的な現実主義者の人でも、この作品の設定ならば受け付ける余地があるかもしれない(「徹底的な現実主義者」の人が竹本泉作品を好きになるかはともかく...)。さらだの疑問は、読者にとって思わず、真剣に分かりやすい、科学的な説明をしたくなるものもあれば、頭を抱えてしまうものもある。いずれにせよ、こんな風にユニークなお話が出来るおじさんになりたいと思う人は少なくないのではなかろうか。(04/01/28)

・『しましま曜日(1)〜(2)

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・ちょこちょこへぶん/『ぴこぴこのきらきら』所収

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・ぴんくのマシンガン/『ぴこぴこのきらきら』所収

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あははナイスデイ/『せ〜ふくもの』所収

ぼけぼけ少女、高橋市子。彼女が周りに迷惑かけながら「あははは」する話。

コメント:竹本作品の中にずっと笑い続けるキャラが出ることがあるのがこれもその一つ。「アバウト高橋」、この語呂が良い。しかしこういう人は結構いるんじゃなかろうか、という気がする(02/07/11)

・『クリックの日』

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・唄う盗賊/『ばばろあえほん』所収

インガとコンスタンチンは商家の娘。貧乏商人一家が貿易でようやく金持ちになったと思ったら、貿易船が沈んで破産の危機に。親戚の家に金を借りに行き、あっさりとお金を貸してもらえ、帰る二人であったが...

コメント:竹本泉作品で「過去の世界」「不思議でない」という作品はもしかするとこれだけなのではなかろうか?実は個人的にすごく好きな作品で歌うインガの絵がすごく好き。(2002/12/02)

・『苺タイムス』

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(C)竹本泉だいなあいらん』(ゲームアーツ)